2008年8月9日土曜日

旅客機物語 -3- お休みニューヨーク、おはようカリフォルニア




 今日の地球画像は、旅客機物語3回目で、事実上の締めくくりです。

 初期の頃の旅客機では、航空運賃を支払った後、一部の旅人に飛行中にお釣りが支払われていたようです。
 英語の表現では、Luck was on あるいは Luck came back という現象がありました。(日本語の語感、生命活動現象の名残の大が適宜のようです・・・)

 どちらかというと、お釣りを貰わない方がその後の飛行を心地よくしたかもしれません。

 故事に曰く、出物腫れ物、時と所を選ばず。生命活動現象の名残は、移動中に謙虚な活動ならば心が平安かもしれません。

 さて、航空郵便事業で先鞭となったアメリカですが、旅客飛行では、世界の後陣に配されました。
 しかし、10人以上の大量輸送では、時代の開拓者を譲りませんでした。

 机上では、快適な空の旅が設計されました。実務では、些か快適性で評価が落ちた模様です。
 宇宙旅行も、このような旅客機の経験があればこそ開花できたのです。

 それでは、ちょっと苦笑するところもある草創期の旅客機の回顧物語の締めくくりにお付き合いください。



 商業的な航空産業は、アメリカでは遅いスタートになりました。

 1926年にアメリカの航空会社が郵便袋を運び始めるころには、南アメリカ、オーストラリア、アフリカの大陸上空の他にヨーロッパの17ヶ国で、規則正しい運行計画に沿って旅客飛行を行っていました。
 けれども、第二次世界大戦の10年前までには、商業的な航空産業の初期が、北アメリカで終わっていました。

 1927年に、ユナイテッドの前の2つの郵便輸送航空会社、ボーイング空輸と全米空輸が、サンフランシスコとニューヨーク市間を結ぶ不規則な運行計画の最初の大陸横断の乗客サービス開始に参加しました。

 1929年に、ボーイングと全米空輸は、特に囲まれたキャビンに12人から18人の乗客を運べる設計の三発機輸送機を導入しました。
 これらのより速い飛行機は、国を横断する旅行をわずか28時間まで短縮し、増大した輸送能力は、航空会社が料金を259.50ドル(今日の2,500アメリカドル≒275,000円)に引き下げるのを可能にしました。

 飛行が特定の時間に離陸する予定だった一方、その時間は、今日よりも非常に異なって、天気、飛行機とパイロットの稼働率、そして、乗客の到着には、かなりの挑戦姿勢をとらせました。

 その大陸横断の飛行経験は、今日と非常に異なっていました。

 1927年に開設されたサンフランシスコのミルズ飛行場を飛び立つ前に、白ジャケットのスチュワードが、荷物を量り荷札を付け、搭乗券を回収して乗客に安全規則を説明しました。
 そして、気圧変化に処置する耳栓の綿ボールとチューインガムを含んだ「快適パッケージ」を配布しました。

 当時のほとんどの飛行機は、高度 3,500メートルで飛びました。

 航空機は、今日のように冷暖房完備でしたけれども、非保温状態のキャビンは、冬に冷房がよく効き、夏に暖房能力を発揮していました。また、窓は、新鮮な空気を機内に取り込むために、上下にスライドするか回転できるようになっていました。
 ほぼ全開の窓は、常に新鮮な空気と共に、キャビンにエンジン煙霧を吸い込みました。

 最大の問題は、エンジンの轟音で、それは、ほとんどの時間、通常の会話を妨害していました。もっと分かり易く述べるならば、列車が通過している鉄橋の真下でステレオタイプのイヤホンをして、チューインガムを噛みながら愛を告白しているようなものに似ていました。

 飛行機は、温水と冷水を備えた小さなシンク(流し台)を持っていましたが、トイレは、原始的な設備で床にそれ用と分かる穴を明らかにする開いたシンプルな席でした。時々、逆噴射で多めのお釣りが有ったようです。

 当時は、航空産業の「フライドチキン」時代でした。
 機内食の鶏は、パラフィン紙で包まれ、そして、ポテトチップ、トマトのバッグを伴のものにしていました。
 ボーイングは、昼食テーブルとして使うことができた小さな棚を導入し、チキン焼きなべ料理を含めて、より凝った食事を出し始めました。

 けれども、多くの乗客は、食べることに対する関心がありませんでした。

 飛ぶことは、特に胃に苛酷でした。

 その後に導入されたDC-3は、16時間未満のアメリカ横断便を成功させていました。

 飛行機広告は、「お休みニューヨーク、そして、おはようカリフォルニア」と寝台を約束しました。



 ブログでは、かなり端折ってご案内しています。いつものように心を込めた長文は、今日の地球画像でお読みください。


今日の地球画像 「旅客機物語 -3- お休みニューヨーク、おはようカリフォルニア」


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